M3のバリエーション・購入時の注意点

Pocket

M3は1954年から1966年にかけて製造され、合計約22万台が製造されたようです。その中には様々なバリエーションがあり、購入の際にはやきもきさせられます。
各所にそのバリエーションの一覧のような物が出ていますが、自分用の備忘録としてあまりにも細かいこと(スプールの刻印とか底蓋の突起とか文字の太さとか)は抜きにして長々と書いていきます。
※これは自分用に作った物であり、実際の物とは異なる可能性が大きくあります。その為、これを参考にして購入してみたら違っていた等言われても私は一切の責任を負いません。
(純正・非純正を問わず改造されている物もありますしね・・・。)
説明をする前に、シリアル番号等から製造年月日等を調べられる表をリンクしておきます。
http://www.cameraquest.com/leicanum.htm
http://leica.xxxxxxxx.jp/serial.htm
2009/10/14 加筆・一部修正


M3のバリエーション
No.700000〜
■ここからM3の製造が始まり、最初期型と呼ばれている物です。希少価値は高いですが、光線漏れがあったりと実用としては?が付きます。
ちなみに段付きと呼ばれ角がかくっとなっているそうです。
No.703001〜
■マウントのネジ止めが5本になり、一番上の物には黒く封印がされている。Lマークとか呼ばれる物ですね。
No.730000〜
■アクセサリーシューのピンが小型化され、巻き戻しノブの刻印がマイナス表記から赤のポッチへと変更される。後に2つのカニ目の赤ポッチになり、巻き戻しの確認がしやすくなります。
No.785801〜
■外観上の一番の変更点であるファインダーセレクトレバーが追加されます。これによって、50mmのレンズを装着していても他の焦点距離用のブライトフレームを手動で出すことが出来るようになり、レンズを付け替えた際のイメージがしやすくなります。(レバーを戻すと自動的に元の焦点距離用のブライトフレームに戻ります。)なお、M3はレンズの焦点距離によって自動的にその焦点距離にあったブライトフレームが出るようになっています。
※この番号以前でも純正改造でファインダーセレクトレバーが付いている物があります。
No.800000〜
■この辺りからフィルムカウンターの指標が▼(黒い三角)から▽(白抜きの三角)に変わる。
No.854001〜
■バックプレート裏のフィルム圧版がガラス製から金属製へと変更される。作りはガラス製の方が良いが、ガラス製は静電気が発生することがあるらしく、またフィルムが張り付いてしまうことがあるようで、実用としては金属製の方が良い。
■フィルム圧版の変更に伴って?バックプレートの固定部品が無くなってしまい、底蓋を外した状態でバックプレートがパカパカと開いてしまう。これ以前は、きちんと固定出来るようになっていて、スルッと固定出来る。
詳細な時期は不明ですし、バックプレートは簡単に交換できるのでさらに不明です。
■シャッタースピードダイヤルが倍数系列に変更される。
これ以前は国際系列と呼ばれ
「B.1.2.5.10.25.50.100.200.500.1000」
となっている。
倍数系列は
「B.1.2.4.8.15.30.60.125.250.500.1000」
となっており、使いやすい。
なお、MCメーターには国際系列と倍数系列の物があり、購入時には注意されたし。
■シャッターダイヤルの表面処理が少し変更され、光沢のあるメッキからボディーと同じ梨地のクロームメッキになる。
■巻き上げレバーが長くなります。短い物はアクセサリーシューにレバーの先端が当たらないと思いますが、長いものはアクセサリーシューに巻き上げレバーの先端が当たります。
■このあたりからバックプレートにあるフィルム感度ダイヤルがASA200までの標記からASA1000に増える。
No.919251〜
■巻き上げがシングルストロークになるが、後のラチェット式ではなく貴重なスプリング式のシングルストローク。一番素晴らしい巻き上げと言われることも多々あり、ライカの巻き上げここに極まるとまで言われることも。
巻き上げがダブルストロークの物にも言えますが、スプリング式のため巻き上げが滑ってしまうこともあり、実用上は後のラチェット式の方が良いです。
No.919251〜No.963000がこの個体にあたるようですが、この間にはM2(93万台〜96万台のほとんど)やその他様々なモデル(オリーブペイントやブラックペイント)にシリアル番号が割り当てられているらしく、実際の台数はかなり少ないようです。ちなみに、ライカのシリアル番号は機種毎ではなく他機種を含む共通のシリアル番号です。
※いろいろな個体を物色している間に気づいたのですが、シングルストロークのスプリング式巻き上げの個体は95万台にはほとんど存在していないように思われます。
各所で確認しても95万台はラチェット式の物がほとんどですし、実際私が持っている957●●●台のM3はラチェット式です。シングルストロークのスプリング式巻き上げの個体はNo.919251〜No.963000ではなく、No.919251〜No.929000の7629台(内100台はELCのダブルストロークのようなので実際には7529台?)だけなのではないか?と考えられます。
ちなみに、No.929000の後のM3はNo.950301からとなります。
逆に考えるとドッグイヤーでシングルストロークのラチェット式巻き上げの個体も数が少なく、No.950301〜No.963000までの8100台と考えられます。
スプリング式のダブルストロークからシングルストロークへの変更は純正改造があった程なので改造で代用できなくもありませんが、ドッグイヤーのシングルストローク巻き上げのラチェット式というのはある意味貴重かも?と個人的に考えます。
■バックプレートにあるフィルム感度ダイヤルがこのあたりからASA1300までの標記になる。
■二重像の上下に被写界深度確認用のノッチが採用される。50mmのレンズ装着時に上の太いノッチはF16、下の細いノッチはF5.6で、二重像のズレがノッチの幅の中に収まっていれば被写界深度内にあると言うことを意味している、らしい・・・。実用性はあまりありませんし、せっかくのファインダーに邪魔な物があるという理由で対象から外す人も。
この上下のノッチ分を確保するために、ノッチの分だけ二重像の上下が狭くなっているようです。ピント合わせに密接に関係するので拘る人は注意を。ただ、ファインダー接眼窓が大きくて(↓参照)、二重像の上下のノッチが無い物というのは基本的に存在しないようなので悩ましいところです。
■時期は不明ですがこのあたりからファインダー接眼窓の経が8.5mmから11.5mmへと大きくなり見易くなります。外観とかコストとかフィーリングはいろいろと意見がありますけど、これは大きい方が断然見易いのでファインダーに拘る場合は経が大きくなった物を。特にメガネ着用の人は大きい物を選ぶと良いと思います。
■シャッターブレーキがM2同様の壊れにくい物に変更されるが、時期が少し曖昧です。この番号辺りからか、次の963001からからしいです。
No.963001〜
■巻き上げはシングルストロークですが、スプリング式からラチェット式に変更されます。巻き上げの感触は少し劣ると言われていますが、ラチェット式のため巻き上げの感触に個体差が少なく不具合も少ないようです。なお、分割巻き上げも出来ますが、負担を掛けるかもしれませんので、私は分割巻き上げはほとんどしません。
■アイレット(吊り輪・ストラップ用のホール)が犬耳(ドッグイヤー)・福耳から普通の小さいアイレットに変更される。M2との部品共通化によるコスト削減のためと思われ嫌がる人も多いのですが、取り付け位置が真横から少しボディー前面に移動したために重いレンズを付けて首から提げた場合にお辞儀をせず、収まりが良いようです。
なお、この小さいアイレットは交換パーツが沢山ある(後のモデルと共通)ため実用するならお勧めです。
■前面にある巻き上げ解除レバーが2mm程短くなります。
■レンズ脱着ボタンの周囲にあるガイドがこの後辺りから無くなるようですが、また復活したりしているらしく、時期は曖昧です。
という感じです。
その他の豆知識
●トッププレートにシリアル番号が書いてありますが、底蓋を外し、フィルムの装填方法が書いてあるプレートを外すとシリアル番号が印字されてあります。ただし、途中から本体の番号の記載が無い物もあるらしく、しかもまた印字されていたりとよくわかりません。
番号違いや番号が削られている物は外装が交換されていたり重修理された個体かもしれません。
気にする人は気にするだろうし、気にしない人もいると思います。あまり考えすぎないように・・・。
●オリーブペイントやブラックペイント等の通常のモデルとは違う特別モデルが多々ありますが、総じて高いです。ブラックペイントに関しては、その時期によって塗装箇所が変わっていたりしており、さらにバリエーションは増えます。
●M3のクロームメッキは、よく梨地の沈んだようなクロームメッキと言われ、他社のメッキよりも輝きが少なく、くすんだような色をしています。
購入時の注意点
購入についての基本的なことをいくつか書いておこうと思いますが、選び方については千差万別なのでその人の重点項目を重視した方が良いかと思います。
全てを望むと30万円とかの高額な物しかありません。
▲ファインダーを覗いてクリアに見えるかどうか。また、必ず強い光の方に向けてファインダーを覗いて下さい。出来るのであれば室内ではなく室外で行えるとなお良いです。ファインダーに曇があるか、ゴミがあるか、ブライトフレームが劣化していないか、二重像のコントラストは十分あるか、二重像が黄ばんでいないか、二重像にプツプツが無いか、などで、強い光に向けて覗いてみるとよくわかります。
ファインダーの曇、二重像の黄ばみ、ブライトフレームの欠けはほとんどが清掃で綺麗になるようです。二重像のプツプツもゴミの可能性が多々あるらしく、この場合は清掃で綺麗になるそうですが、全てではないのでお気をつけを。
前面から除いてバルサム切れがあるかどうかを確認します。古い個体はファインダーの縁の周囲に油を塗ったようにきらきら輝くバルサム切れがかなりありますが、多少は仕方ありませんし、通常の撮影ではほとんど気にならないことが多いです。
なお、ファインダーの清掃ではなく修理となると、行える業者はかなり少なく、またその費用は安価なM3がもう1台買えるほどなので、ひどい物は避けた方が良いでしょう。
▲巻き上げがスムーズに行えるか確認。整備されていない個体で無理に巻き上げを行うとギアの破損等が考えられます。また判別が難しいとは思いますが、巻き上げ機構がスプリング式の物は滑っていないかどうかの確認を。
▲シャッターが各速度きちんと動作しているかを確認してみて下さい。正確な速度まではわかりませんがきちんと変化するか確認して下さい。特にスローに関してはある程度感覚でわかると思いますので出来れば時計などで計測します。スローガバナーの音がきちんとしているかも確認。
もちろんですが、バックプレートを開いて幕を覗きながらシャッターをきり、きちんと幕が開いているかも確認します。幕の状態も確認した方が良いですが、多少の汚れ程度だったら気持ちの問題です。光線漏れや駒間が揃わない等は使ってみないとわかりません。
▲セルフタイマーが息切れしていないか確認して下さい。油が切れていると息切れしたような音になります。精度は時計で大まかに見ても良いかと思います。
最大でセットすると10秒、中間でセットすると5秒です。
▲外観についてはどこまでを求めるかによるとおもいますのでご自由にです。グッタペルカの欠け等については、今は切断済みで張り替えるだけの貼り革が売っていますのでそれを使用して張り替えても良いかと思いますが、オリジナルに拘る人にはお勧めしません。
トッププレート部のスレ傷はライカメーター装着時に付いた物がほとんどで、かなりの個体に付いてしまっているため拘ったらきりがありませんよ。
なお、バックプレートの枠部分の塗装に、上部右から右部の中心付近のみにスレがある個体がある場合があります。これは純正の皮ケースに入れた際に、内部にある斜めのひも?か何かが擦れて付いた物ですので、丁寧に使用された個体と考えて良いかもしれません。
とらえず、気づいたことをだらだらと書いてみましたが、これから購入する人の参考になれば。
何かあれば加筆・修正します。

“M3のバリエーション・購入時の注意点” への1件の返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です